「ホットケーキを美味しそうな黄金色に焼くには?」
『暮しの手帖』29号(昭和30年)の「エプロンメモ」にコツがのっています。
「エプロンメモ」は、堀川あき子さんのコラム。
献立の一品や、掃除のアイデア、台所の工夫、ファッション・・・
暮しのヒントになるような、小さな記事が集められて、幅広い知恵がちりばめられています。
ホットケーキは、朝のトーストの代わりに、おやつに、夜食に、バターをつけたり、ジャムや蜂みつで食べたり、昭和の頃から人気でした。
ところが、これを焼くには、厚い鉄板でも使えばよいのですが、ふつうのフライパンでは、なかなかおいしそうなキツネ色に焼けません。
それを、ちょっとしたことで、上手に、おいしそうに焼ける方法があります。

ホットケーキを狐色に焼くコツ
フライパンを中火にかけて温め、けむりが出るくらいになったら、油をひいてから、すっかり油をふきとります。
雑巾をかるくしぼって、火のかたわらに拡げておきます。
いざタネを入れるとき、フライパンをこのぬれ雑巾の上にいったんおろし、それからタネをおとし、適当にのばしてから、火にかけて焼きますと、不思議なくらいキツネ色にふっくらと、喫茶店のホットケーキにまけないように出来上がります。
また、油はフライパンにしみこませる感じで、ひいたら、すっかり拭き取ってしまいます。
よく油を沢山ひいたらコゲないだろうと、たっぷりひきますが、あれは大間違いで、余分の油は焼けて、ホットケーキを黒焼きにするもとになるのです。
一回焼いたらそのあとは、申し訳に油をひいて、それを拭き取る、という感じで焼いてください。このコツで焼くとホットケーキはあなたのお家の自慢の一つになることでしょう。」
(堀川あき子)
☆銀座コロンバンのレシピはこちら
merimaa88.hatenablog.com
★「エプロンメモより抜き集」は、連載がスタートした『暮しの手帖』第25号(1954年)から30年間にわたって掲載されたなかから、640メモを選んで一冊にまとめたベスト版。持ち運びしやすいサイズです。
昭和30年には、テフロン加工のフライパンはまだ登場していません。
フライパンと言えば、鉄のフライパン。
こちらも、間違えのない、今に至る必需品です。
ドイツturk社で1950年から変わらぬ製法で作られたクラシックフライパン。

