犬のお風呂 『暮しの手帖』1952年

ちょっと可愛い記事がありました。

昭和27年、『暮しの手帖』17号。

見開きで2ページの、読者からの投稿記事でしょうか、

昭和の東京・文京区の夏の庭です。


犬のお風呂

読者からのお便りには、こう書かれています。

「冬は部屋のストーブのそばで、そして夏はお庭で二匹の犬はかわるがわるお風呂に入ります。生後一ヶ月頃からやりつけているせいか、馴れています。

犬をお風呂に入れない方がよいという方もありますが、今までのところ故障もおきたことなく、いつも美しく、ノミ一匹ついた事もなく「オブウポチャポチャオイデ」といえば大喜びです。

小さいときは靴下でも洗うように洗面所で洗っていましたが、もう四年近くになって、この風呂桶も小さくなって参りました。」

(犬のお風呂『暮しの手帖』17号)



お湯の温度は赤ちゃんの行水より少しぬるめ。

お腹から洗いはじめて、次は背中や足先。

ドブンとつけて、お湯を取り替えます。

お湯に入ってる間は、出来るだけ犬にいろいろ話しかけてやると、不安がらないで大人しく入ってます。


替え湯ですっかり石鹸がとれたら、別に用意したお湯をシャワー式にかけて、これで済みました。

顔を一番いやがるので最後に洗います。


あがったら、かわいたタオルでよく拭いてやり、湯上がりタオルにくるんで家に入ります。

「真知子巻き」とは?

最後の写真、ワンちゃんにも「真知子巻き」してみたのかな?と思ったのですが、映画『君の名は』が公開されたのは、昭和28年の9月。

昭和28年に大ヒットした映画『君の名は』に出てくるヒロインが「真知子」です。

岸惠子演じる真知子が、ストールを頭から首にかけてフワリと巻いたことから、それをまねた若い女性が街にあふれる「真知子巻き」ブームが起こりました。

ブームのきっかけになった映画『君の名は』は、もともと昭和27年にNHKラジオで放送されたラジオドラマでした。

この記事の掲載されている『暮しの手帖』17号が発行されたのは、昭和27年なので、まだラジオドラマの頃ですね。

ということは、岸恵子と佐田啓二の映画が大ヒットする前に、すでにこのワンチャンは真知子巻き?

それにしても、かれこれ60年以上前の話になりますね、、、