1972年の紙ヒコーキ
二宮康明さんの紙ひこうき、私も小学生のときに、
弟と一緒にせっせと作っては、原っぱで飛ばしました。
「暮しの手帖」に紹介されている記事は、
１９７２年１７号 ( Spring ) に掲載されていたものです。
わずか４ページの記事です。
でも、紙ひこうきを過不足なく作ることができて、飛ばすことができる。
子供でも読めるような、漢字の少ない文章です。
実物大の型紙から作る方法
雑誌記事では、型紙の上にトレーシングペーパーのような薄紙をあてて、鉛筆で型をうつしとり、それを画用紙などの台紙にはりつけて、のりが乾いたら型にそって切り抜いて、型紙を作る方法。
手間はかかりますが、何機も作れます。
自分が作ったときは、二宮さんの紙飛行機集の本を直接切り抜いて作りました。
でも、気に入った紙ひこうきを何機も作りたい時は、やはり本から直接切り抜いたものを型紙に使った記憶があります。
本格的に作る場合のケント紙は
紹介されている材料は
- 製図用のケント紙（150～180キロのもの）30 × 40センチ
- トレーシングペーパー
- セメダインC
- ゼムクリップ
- ピンセット、はさみ 程度
当時は、どこにでもある町の文房具屋さんで買ったケント紙と、黄色いチューブのセメダインC。
子供がおこずかいで買える程度のものでした。
★本格的に作る場合は、
ケント紙はケンラン２２５kg A４・T目、がよいそうです。
紙の方向を間違えないように
ケント紙を軽く曲げてみて、曲げにくい方向を見つけます。
小学生でも当時、型紙からでもうまく作れたのは、「ケント紙の方向」を間違えなかったからでしょう。
間違えると、くにゃっと曲がる飛行機が出来てしまいます。
細長い胴体がぶつかった時に、曲がらないようにするのです。
翼や胴体の型紙を、
ケント紙の曲げにくい方向に平行になるように置きます。
先をとがらせた鉛筆で、まわりをなぞって型を書きうつします。
これを切り抜きます。
点線の部分は定規をあてて、きっちりと折り目をつけておきます。
今ならコピー機など駆使して型紙をプリントしますけれど、そういったものをいっさい使わないで作ってみるのも、子供にとっては面白く新鮮かもしれない。
ナイフで鉛筆を削って、芯をとがらせて、型紙をなぞって、
はさみ（これはよく切れるのが必要）で切り抜いていく・・・
オール手作業で作るのです。
胴体は一気に全部はり合わせないこと
胴体のまん中になるパーツを中心にして、左右にはっていきます。
切り抜いたパーツをセメダインCで貼っていくのですが、
当時活躍したのは、分厚い百科事典と、裏の白い広告紙。
セメダインをはり合せ面の全体にむらなく（すばやく）ぬり、ずれないように貼り合わせます。
はったら、一回ごとにいらない紙の間にはさんで、余分のセメダインＣを押し出します。
コツは一気に全部張り合わせないことです。
（ぐにゃぐにゃの乾きのおそい胴体になってしまいます。）
まず胴体は３～４枚貼り合わせて十分に乾かして、かたい芯を作ります。
この芯に残りのパーツを貼り合わせていきます。
このときに、広告のあいだに３〜４枚貼り合わせた胴体をはさんで、上から分厚い百科事典をのせて重しにしたのです。
この方法が良いのか分かりませんが、小学生には便利でした。
すっかり乾くには、５、６時間かかったので、何機も平行して作っていました。
はみ出したセメダインは、紙ヤスリを軽くかけました。
主翼の裏に補強用の裏打ちパーツをはります。胴体と同じようにして乾かします。
型紙から作る場合は、パイロットの窓（キャノピー）を塗ったり、記号や名前を書いて楽しめます。
ちょうど、胴体と主翼（裏打ちしたもの）が乾くまで待つところまで来ました。
記事が長くなってしまうので、「その２」に続きます。
次は、「組み立て」からです。
