昭和の「暮しの手帖」から

創刊号〜70年代「暮しの手帖」バックナンバーから。珠玉の記事をピックアップ

蒸し器のプディング レシピ『暮しの手帖』1950年

『暮しの手帖』のグラビア・ページに初めて掲載された食べ物の記事、それが「誰にでも必ず出来るホットケーキ」でした。

レシピと作り方は、銀座一流店「コロンバン」の門倉国彦氏が担当。

ホットケーキの次に掲載されたレシピは、同じくコロンバンの「プディング」

天火(オーブン)がなくても、蒸し器で簡単に作れます。

表面がツルツルとしたプリンでなくて、所どころに小さな穴がプツプツしてる、あの懐かしいプリンです。


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掲載は第8号(昭和25年) 写真:林重男 

誰にでも必ず出来るプディング

材料 (5人分)
砂糖 茶さじ8杯
卵 2個
牛乳 1合
その他に、もしあればバニラエッセンスとカステラ少し

*1合は約180ml 
お米の計量カップ1杯 


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カルメ焼きの鍋(なければ普通の鍋)に茶さじ3杯のお砂糖と1杯の水を入れて火にかけ、写真のようにアメになるまで煮立てます。

これを油をうすくひいた、フライパンの上に流しておきますと、冷えて平たいアメが出来ます。


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次に種を作ります。
ボールに牛乳1合とお砂糖茶さじ5杯を入れてかきまぜ、火にかけてわかして、おろしておきます。

別に卵を2個、泡立て器で白身と黄身がまじる程度にかきまぜて、これを、さっきわかした牛乳の中に、かたまらないように泡立て器でかき廻しながら、少しずつ入れます。

その上に、あればバニラエッセンスを2、3滴たらします。

フライパンから平たいアメを包丁でコソゲ取って、プリン型の数にわって入れます。


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その上にカステラを親指大にきって、二つずつ入れます。なければなくてもいいのです。

このプリン型の中に前につくった種を八分目入れます。
蒸し器にプリン型の七分め位まで水を入れて、火にかけ、手をいれて熱いくらいになったら、写真のようにプリン型をならべます。
フタをすると水気が多くなるのであけたまま15分ぐらい煮ます。

するとブクブクと湯がはねてきますから、プリンの中に入らぬように注意しながら、フタをします。

2、3分たって表面がフックラしてきて、おすと弾力があるような感じになったら出来上がりました。


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出来上がりましたら、よく冷やし、写真のように サジでまわりをおさえつけて型から離し、お皿にふせて振るようにして、型から抜いてください。よく冷えてないと抜けません。

生クリームやミルクをかければいっそうおいしくなるでしょう。




レシピには、次のような文章が添えられています。

天火がないとプディングは出来ないと思っていらっしゃる方が多いので驚きました。

こんなやさしい、別にコツといってない、そして食べてみるとシャレタおいしさのあるオカシ。火加減にもよりますが二十五分もあったら出来あがります。

一、二才の赤ちゃんにも安心してあげられるし、若い人にもお年寄りにも、氷でつめたくして召し上がればアイスクリームに負けません。


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作るプロセスを写真にした『暮しの手帖』

『暮しの手帖』7号(昭和25年) に、ホットケーキの作り方が掲載された頃、雑誌などの料理記事には、文章だけが掲載されていました。(まだテレビ放送もない時代です。)

ていねいに、材料の紹介から、火加減のコツまで、作るプロセスを写真にしたのは『暮しの手帖』が最初でした。

当時の婦人雑誌では、こういった料理記事はなかったのです。


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このときの写真の手のモデルは、大橋鎮子さん本人。

料理以外にも、トンカチやノコギリ、カンナなどの大工道具、編み物、ミシン、縫い物など暮しの手帖の「手」モデルはほとんど鎮子さん。

当時はスタイリストという仕事をしてる人もいないので、料理撮影に必要な器やナイフ、フォーク、調理器具を探すのも鎮子さんたちスタッフの仕事でした。


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暮しの手帖 第8号 表紙より 


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