昭和の「暮しの手帖」から

創刊号〜70年代「暮しの手帖」バックナンバーから。珠玉の記事をピックアップ

37個のリンゴ木箱 暮しの手帖 1949年

最近では本棚や机など、ちょっとした家具として、洋服やタオルなど収納として、「木製のリンゴ箱」が見直されている。

スペースに合わせて、組み合わせたり積んだり自由になるし、ささくれをヤスリがけする程度でも、手をかけずにそのまま使ってしまえばいいラフさが受けているのでしょう。

(日本は地震国なので、何段も積むときは、崩れないように固定する工夫を忘れずに!)

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昭和の頃から、ユニット家具(組み合わせ家具)は販売されていましたが、その「原型」ともいえるのがリンゴ箱で、第6号の「三十七個の果物箱」という記事です。

★暮しの手帖 100号より

「リンゴ箱というのは、とにもかくにも木製の箱であった、しかも値段は二十円か二十五円で、いくらでも果物屋で分けてもらえた。
私たちの身辺で一番たやすく手に入る家具のユニットだった。
おそらく、あの頃を生きて来た人なら、たぶん、このリンゴ箱のいくつかにお世話にならなかった人はないだろうと思うくらいである」



三十七個の果物箱 第6号

昭和24年。

筆者は美校を出て中学の絵の教師をしている。
三人暮らしで、親類の物置六帖の大きさ、押入れも廊下も台所もない部屋に寝起きしている。

この不便と美しくなさには我慢しようもなく、さりとてなまじの家具を入れては、肝心の自分たちの居場所もなく、第一買うお金もない。

思いついたのが一個25円のリンゴ箱。

ベッドも戸棚も机も書棚もコンロ台も、何から何まで果物箱で作り上げた。

(当時、リンゴ木箱のほかに、みかん木箱、缶詰の木箱、30円のブドウ木箱もあった。)


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上写真
書棚には、B5判ならリンゴ箱、A5判ならオレンジ箱、スクラップブックのように大きい本には缶詰の箱がちょうどいい。

テーブルはリンゴ箱4つを二段に重ねて(8つ使用)、上に板一枚、リンゴ箱のフタで作って有り布をかけておく。

リンゴ箱を4つ重ねて、小タンスがわりにこまごました物を入れる。


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上写真
リンゴ箱を3つずつ2列にならべて、板を敷いたベッド。
手前の方は靴を入れたりリュックを入れたり。
昼は、そのままソファになって、ゆうゆう3人掛けが出来る。


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台所の食器棚

戸棚のフタには、「小さな額縁に入った絵」がかけてある。 

それから、バンダナのような「ペイズリー柄の大判の布」で目隠しをしていたり、これだけでまったく違う暖かみと愉しさが部屋に生まれる。


昭和の頃、ペイズリー柄は流行っていたのか、私もこのような布を見た記憶があります。

特にカンナをかけたり、ペイントしなくても、そのまま使えるリンゴ木箱は、インド・タイ・中南米などのざっくりとした布との相性もとてもいい。

リンゴ箱は松や杉材なのだが、プラスティックの箱ではこうはいかない。 

60年以上たった今の時代でも、お金をかけずに、多くのモノを持たずに暮らそうと思えば、リンゴ箱でいくらでも工夫ができるのと、北欧ブームにも見られるように木への愛着のある暮らしに戻りたい、過剰さから逃れたいという流れも「リンゴ木箱」に再び行きついているのでしょう。

日曜ごとの愉しい労作で

台所の食器棚の写真の上のほうに見える、正面にフタのついた箱。

蝶番(ちょうつがい)を3カ所に使って(計6個)、フタを三つ折りにして、空けたら箱の上にフタをのせられるように工夫されている。


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 フタが閉まっている状態。
 「とって」をつかんで引き上げれば、簡単に開いてしまう。
 フタを開けたところ

蝶番は、箱とフタのさかい目に一組。
フタの上から5センチくらいのところに一組。
これは、どちらも外へ折れるようにつけてある。

あと一組は、フタの中央あたりに内側へ折れるようにつける。
フタの上から2枚目に「とって」をつけておく。


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★同じく1949年の記事

merimaa88.hatenablog.com