『暮しの手帖』童話作品の一覧  

『暮しの手帖』の名物となった連載はいくつもありますが、創刊号からスタートしている童話の連載もそのひとつです。

そのなかで、『暮しの手帖』1世紀(創刊号〜100号まで)の作品を中心に、一覧を作ってみました。

18号からは、富本一枝と藤城清治による作品になります。
 
「お母さんが読んで聞かせるお話 A・B」は、富本一枝・藤城清治作品をまとめたものですが、現在は販売されていないのが残念ですね。 

(この一覧表は作成中です。随時、更新していきます。)



創刊号からの一覧


昭和23年 
1号 「ピータア・パン」 
人形・ジェン・パントル劇場 木田久 
*指人形の作り方 藤城清治 

昭和24年 
2号 「五つのえんどう豆」 木田久・藤城清治 アンデルセンの童話
3号 「マリア様と軽業師」 木田久・藤城清治 アナトール・フランスの原作から
4号 「スガンさんの山羊」 町田仁・藤城清治 アルフォンス・ドーデ「風車小屋通信」から
5号 「アポロの馬車」   町田仁・藤城清治 ギリシャ神話から
6号 「こうのとりになった王様」 町田仁・藤城清治 ハウフ作「隊商」から

昭和25年
7号 「いそがしい小人」 町田仁・藤城清治 アグネス・レーダー
8号 「人間のぬけがら」 町田仁・藤城清治 メラネシア地方に伝わる神話  
9号 「狼と七匹の子山羊」町田仁・藤城清治 グリム童話 
10号 「小さなマッチ売りの女の子」 町田仁・藤城清治 アンデルセンの童話 

昭和26年
11号 「旅をした鬼のはなし」 町田仁・藤城清治 エリオット・グリフィスのオランダ童話集から 
12号 「四つのみじかいお話」 町田仁・藤城清治 ラ・フォンテーヌの寓話から  
13号 「ふしぎな笛ふき男」 山下穀男・藤城清治 ブラウニングの詩より
14号 「お月さまの見たお話」山下穀男・藤城清治 アンデルセン「絵なき絵本」より

昭和27年
15号 「赤ずきんさん」 山下穀男・藤城清治 ペロー作
16号 「一寸法師」 山下穀男・藤城清治 お伽草子から
17号  掲載なし

★以下の作品はすべて〈富本一枝・藤城清治〉となります。

18号 「おくびょうなうさぎ」 富本一枝・藤城清治 三色カラー ずっと昔の印度のお話から  


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merimaa88.hatenablog.com


昭和28年 
19号 「亀さんに口をひっかかれた犬の話」 トルストイの少年物語  
20号 「不思議なお菓子」 アイルランドのお話から
21号 「魔法の指輪」 イタリーの古い童話から    
22号 「靴作りと小人」 グリムのおはなしから  
昭和29年
23号 「いなくなった三びきのこねこ」 チェホフの短編から
24号 「こびとのおひっこし」 アイルランドの古いお話
25号 「狐のいたずら」 日本の昔話から  
26号 「黒だい三びき大明神」 日本の昔話から
27号 「笠をかぶったお地蔵さん」 日本の昔話から
昭和30年
28号 「玉ねぎと子うさぎ」  
29号 「村一ばんのおばかさん」 イタリアのお話から
30号 
31号 「花のお城」 日本の民話から
32号 「ふしぎなたね」 日本の民話から
昭和31年
33号 「きつねの建築師」 クルイロフの寓話から
34号 「鼻なしのダッタ」 インドの古いお話から
35号 「魔法の棒」 イタリアの古いお話から
36号 「ふたつのお話」 日本の民話から
37号 「兎と象とお月さま」 インドの古いお話から


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王さまになった粉ひきのハンス

昭和32年
38号 「王さまになった粉ひきのハンス」 グリムのお話から
39号 「おさるのかおはなぜあかい」 民話より
40号  「雨を降らせた傘屋さん」 
41号 「おさるがくれた大判小判」 日本昔話
42号 
昭和33年
43号 「金の子犬と銀の子犬」 アイヌの昔話から
44号 「わら一束で米千俵」 日本の民話
45号 「鹿からもらったお嫁さん」 朝鮮の民話から
46号 「二ひきの狐」 日本の童話から
47号 「ペッピ君とピッペ」 スペインのこぶとり物語
昭和34年
48号 「青いカラス」 ロシアのお話から
49号 「神さまが腹を立てた話」 世界でいちばん古い物語のひとつ

つづく・・・




富本一枝と藤城清治

「お母さんが読んで聞かせるお話 」は、花森安治と藤城清治があとがきを執筆しています。

この本が出版されたとき、富本一枝は7年前にすでになくなっていました。富本一枝は、平塚らいてうと共に『青鞜』のメンバーだった尾竹紅吉です。

あとがきのなかで、花森安治が描写する富本一枝が何とも素敵です。

「富本さんは、上背があって、藍みじんのような着物が似合って、それを明治の山の手の女の人がしたように、ゆったりと着て、長い髪を無造作にたばねて、大きな声で、いつでも明るく、わらいながら入ってきた。」

(お母さんが読んで聞かせるお話・A あとがき・花森安治)


「ぼくの影絵が、はじめて本にのったのは、暮しの手帖の〈お母さんが読んで聞かせるお話〉としてだった。はじめ、一号二号は、ぼくが、その頃やっていた人形劇の人形の写真だったけれど、三号から、花森さんにすすめられて、影絵をのせるようになった。
ぼくの影絵は、花森さんとの出合いがなかったら、生まれてこなかったかもしれない。」
(お母さんが読んで聞かせるお話・B あとがき・藤城清治)

 


お母さんが読んで聞かせるお話A (お母さんが読んで聞かせるお話)

お母さんが読んで聞かせるお話A (お母さんが読んで聞かせるお話)

  • 作者: 富本一枝・藤城清治
  • 出版社/メーカー: くらしの手帖社
  • 発売日: 1972
  • メディア: 単行本