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昭和の「暮しの手帖」から

創刊号〜70年代「暮しの手帖」バックナンバーから。珠玉の記事をピックアップ

古い国からの新しい手紙 1955年 暮しの手帖社

欧風の家の表紙カバー

「暮しの手帖」の人気連載や掲載記事を一冊にまとめた本の装釘も、編集長の花森さんは数多く手がけています。

雑誌の初期の1955年3月に発行された、H.K.ニールセンの「古い国からの新しい手紙」。
新聞特派員の著者が、ヨーロッパの小さな町や村を訪れ、人々の暮しを自分で写真を撮り、タイプライターをたたいて記事にしていったものです。

表紙カバーは、花森さんが大好きだった欧風の家。

シンプルな色使いが、かえって味のあるデザインとなり、タテに長い本のサイズの面白さなど、人気の装釘にはいる一冊ではないかと思います。


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「古い国からの新しい手紙」は、発行から50年以上が経っていて、もともとの発行部数が少ない、通常の本より縦が長い変型サイズの本、ということもあり、現存している数が少ない稀少本としても知られているようです。



著者はデンマークの女性新聞通信員

昭和26年9月の『暮しの手帖』第13号から連載が始まり、最初の記事は筆者の生まれ故郷、デンマークです。
連載はおよそ2年続いて、最終回は昭和28年8月の第21号。

さらにドイツやその他からの新しい通信を書き足して、1冊の本として出版されました。
 
1 アンデルセンの家 
2 白鳥の入江(スウェーデン)
3 花と友情と(オランダ)
4 白い山なみ青い野づら(ノルウェイ)
5 巴里の街角で
6 ロンドン余情
7 花さく岸辺で(イタリア)
8 北の涯 ふるさとの風は(デンマーク)
9 わがコペンハーゲンよ


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著者の紹介

ヘレン・ニイルセン夫人は、デンマークの新聞通信員で、この文章にもあるように、ほとんど一年の大半を事件を追って、世界中を飛び歩いている人です。日本にも前後二度来朝し、朝鮮戦線にも兵隊服を着て従軍しました。

外国の新聞記者はみんなそうですが、ニイルセン夫人も自分で写真を撮りタイプライターをたたきます。

この「古い国からの新しい手紙」は、前号の「アンデルセンの家」からはじまって、当分連載されるはずですが、こんどはスエーデン、この次はどこから原稿が送られてくるか、夫人自身もわからないといっていますし、私たちも、それがひとつの愉しみです。

この「古い国」というのは、ヨーロッパのことですが、ありきたりの旅行記は、私たちもいやだし、夫人も書きたくないといっています。

うわべだけの首都のスケッチより、名もない町や村の片隅に、今日も明日もつづけられてゆく暮しを、女の眼で書いてゆきたいという夫人の考えは、流れるように美しい文章と共に、私たちをよろこばせてくれるのです。

もしお読みになって、夫人あてに感想をお書きになりたい方がありましたら、編集部気付で送りください。訳文をつけて、その時その時の夫人の旅先へお廻しいたします。ーー 編集者

(暮しの手帖 第14号から)


古い国からの新しい手紙 (1955年)

古い国からの新しい手紙 (1955年)


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